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地方進学が減少し、首都圏が占める高学歴大学

2026.04.22

東大で地方出身者が減ってるらしいので、京大でも減ってるのか調べてみた

地方から東大に進学する人が減っているらしいです

東大で、新入生の6割が東京を含む関東の学校の卒業生になっている、というニュースがNHKから出ていました。2009年度と比べて15%も上がっているとのことです。

こういう話を聞くと、教育格差とか地域格差とか、いろんな論点がすぐに思い浮かびます。

それはそうなんですが、私は賃貸仲介の仕事もしていますので、別の角度からこの話が気になりました。

地方から大都市圏に進学する人が減ると、私たちみたいな仕事は普通に困ります。京都でも東京でも、大学生向け賃貸というのは「別の地方から来る新入生」にかなり支えられているからです。

 

そこで、東京大学のニュースを見て「東大だけの話なのか、それとももう少し広く起きていることなのか」を知りたくなりました。東大は日本の大学の中でも特殊な存在だし、首都圏の学校が強いのは当たり前でしょう。

ですので、比較対象として京都大学を見てみることにします。京大なら、まだ「西日本の大学」というイメージが残っているし、毎年かなり丁寧な統計も出しています。

使ったのは、京都大学の平成26年度京都大学入学試験諸統計と、令和7年度京都大学一般選抜諸統計です。このように、だいたい10年ぐらいでどんな変化があったかを調べると、わりと面白い傾向が見えてきます。

 

京都大学における地方からの進学者の推移と傾向

まず、当たり前のことながら京大は依然として近畿出身の学生が多いわけです。

2025年度入学者は全体2,689人のうち、京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・三重の合計が1,283人で、半数近くになります。なので、「京大まで東大みたいになった」とまでは言えません。あくまで関西の大学なわけです。

ですが、“関西ローカル性”は少しずつ薄くなってきています。2014年度は近畿圏からの入学者が1,528人で全体2,918人に対して約52.4%だったのに対し、2025年度は1,283人で全体2,689人に対して約47.7%。ざっくり言えば、この10年で京大の地元比率は5%ほど下がっているわけです。

代わりに存在感を増しているのが、東京を含む関東圏です。

2014年度の京大入学者で、茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川の高校出身者は合計659人でした。これが2025年度は851人にまで増加しています。比率で見れば一目瞭然で、2014年度の約22.6%から、2025年度には約31.6%まで上がっている計算になります。

特に東京は分かりやすくて、2014年度162人から2025年度239人にまでほぼ1.5倍に増加しています。京大の入学者データを見ても、首都圏のプレゼンスは着実に増しています。

京大入学者出身地方グラフ(平成26年度京都大学入学試験諸統計、令和7年度京都大学一般選抜諸統計より筆者作成)

 

パーセンテージをグラフにするとこんな感じです。分かりやすく近畿が減って関東が増えていますね。

 

 

東大と京大の入学者データからの考察

東大では関東出身が62%を占めるという、かなり強い首都圏偏重が報道されていました。

この傾向は実は京大にも見られると言っていいでしょう。つまり、京大においても首都圏偏重という事態が生じているわけです。

逆に言えば、地元の人ばっかりになってしまい「別の地方から来る新入生」が減ってしまう……というわけではありません。

部屋探しをする賃貸仲介屋としてはホッとする結果でした。

 

とはいえ、京大はまだ近畿圏の色が濃いですね。本川裕さんの「社会実情データ図録」(非常にためになる統計データのサイトです!)のランキングを見ても東大ほど首都圏の超進学校に寄ってはいません。

東大の高校別合格者数は首都圏の進学校群の競技場という感じがかなり強いのに対し、京大の高校別合格者数では関西圏の有力校を中心にしつつ、東西の中間的な性格を持っていることが分かります。

そうは言っても、その京大でさえ関東圏の比重が上がっているのですから、やはり難関大進学全体が都市圏有利になっている、と見た方がよさそうです。

 

では、なぜそうなるのでしょうか。もちろん私がここで厳密に因果関係を説明できるわけではありません。

ただ、予備校や中高一貫校の集積、大学受験に対する家庭の情報感度、通学圏の厚み、親が出せる住宅費や仕送りの差、そういったものが効いたり効かなかったりしている、ということぐらいは推測できるでしょう。

東京などの都心に近い家庭の方が、受験に必要な資源にアクセスしやすい。そして、その差は「本人の努力」の物語の中にうまく隠れてしまう。東大のニュースも、京大の統計も、そういう構造の断面として読むことができます。

 

最後に、不動産屋としては更なる打算について考えてみたくなります。地方の親御さんにとって、大都市圏の大学に子どもを出すコストはやはり重いわけです。

たとえば家賃6万円の部屋に4年住めば、それだけで288万円になります。7万円なら336万円、8万円なら384万円。これに更新料、火災保険、家具家電、引っ越し代を入れれば、かなりの額になるでしょう。

理系だったら院に行く場合が多く、留年のリスクなども加味すれば6年いるのもザラです。するとコストは500万円の大台にも乗ってきます。

となると、条件が合うなら「4年ないし6年住む前提で小ぶりなマンションを買う」という発想も、十分ありえます。もちろん金利や管理費、修繕積立金もありますし、売却できるかどうかという出口の問題もあります。

しかし、逆に考えると家賃をただ支払い続けるのもまた一つの賭けだということです。少なくとも、地方から都市部の大学へ進学するコストが重くなっている今、「賃貸で借りる一択」とは限らないのではないでしょうか。その意味でマンション購入、「資産として不動産を買うこと」はもっと普通に検討されてよいわけです。

東大の「新入生の6割が関東出身」という話は、東大だけのニュースとして読むと少しもったいない。京大のデータも合わせて見ると、難関大への進学が少しずつ大都市圏寄りになっていることを意味しています。

大学合格者の出身地方の話は、教育の話であると同時に、住宅の話でもあるわけです。大学受験は学力の競争ですが、その前にすでに、どこに住むかの競争になっているわけですね。

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Horiuchi

ShuJuの代表兼宅建士。京都大学総合人間学部を卒業し、修士、博士課程と順調に進学していくも、「俺は学問だけじゃなくて、シェアハウスに関わる全てのことに携わりたい」と宣言し、まさかの中退。不動産業に従事していたことから、そのまま宅地建物取引士を取得。 得意なことは社会学、契約関係、税金関係。『長い間、アカデミアに籍を置いてきました。これからは皆様のお住まいや不動産での資産形成にご協力していきたいです。私はお客様からの連絡をいつでもお待ちしています』とにこやかに語る。

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