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京都市における東西移動

2026.07.25

北陸新幹線の前に、京都市内の東西移動をどうにかしてほしい

京都タワー

京都市内には、JR、地下鉄、京阪、阪急、近鉄、嵐電、叡山電車が走っている。

市バスや民間バスも含めれば、路線の数自体は多い。

しかし、実際に京都で暮らしていると、地図の上では近いはずの場所へ、なぜか簡単に行けないことがある。

特に不便を感じるのが、京都市内の東西移動である。

北陸新幹線を京都にどのように通すのかという、大きな議論は続いている。→北陸新幹線ルート「桂川案」決定 その背景と今後の課題

北陸と関西を結ぶ広域交通について考えることは、もちろん必要なのだろう。

けれど、市内を移動するたびに思う。

 

「新幹線の前に、京都市内の東西移動をもう少しどうにかしてほしい」

 

出町柳駅から西へ移動しにくい

一つ目は、出町柳駅から西側への移動である。

出町柳駅には京阪電車叡山電車が乗り入れている。

大阪方面や京都市北東部へ向かうには便利な駅だが、ここから西へ向かう鉄道路線はない。

烏丸今出川、堀川今出川、千本今出川、北野白梅町、円町、西大路御池方面へ行こうとすると、基本的にはバスに頼ることになる。

市バス203号系統は、出町柳駅前から今出川通を西へ進み、烏丸今出川、堀川今出川、北野白梅町、西ノ京円町、西大路御池などを結んでいる。つまり、移動手段がまったくないわけではない。

しかし、鉄道による代替手段がないため、道路が混雑すれば、その影響をそのまま受ける。

出町柳駅と北野白梅町や円町は、地図の上ではそれほど離れていない。

それでも、バスがいつ来るのか、混んでいないか、時間どおりに着くのかを考えなければならない。

今出川通は、京都市北部を東西に横断する重要な道路である。

その東西移動を、ほぼバスだけに任せている現在の交通網は、十分だと言えるだろうか。

 

京都駅と七条駅がつながっていない

二つ目は、京都駅七条駅である。

京都駅は、JR、近鉄、地下鉄、新幹線が集まる京都最大の交通拠点である。

一方、七条駅は京阪本線の特急停車駅であり、三十三間堂や京都国立博物館など、東山南部への玄関口でもある。

二つの駅は近い。

しかし、鉄道では直接つながっていない。

詳細は、「なぜ京都駅には阪急と京阪が乗り入れていないのか?」を参照ください。

京都駅から京阪電車に乗ろうとすれば、七条駅まで歩く、バスに乗る、またはJRで東福寺駅まで移動して京阪電車に乗り換えることになる。

現在は、七条駅と京都駅を約5分で結ぶステーションループバスが運行されている。

このバスは便利であり、京都駅と七条駅の間を埋める大切な役割を果たしている。

しかし、逆にいえば、京都を代表する鉄道駅同士の接続を、道路状況に左右されるバスが補っているということでもある。

距離は近い。

けれど、交通網の上では遠い。

京都駅と七条駅の関係は、京都市内の交通がうまくつながっていないことを象徴しているように思う。

 

ShuJu不動産が選ぶ、京都市内で現実的におすすめできるアクセス・エリア

京都市内で交通アクセスだけを比べれば、烏丸御池、四条烏丸、三条京阪は非常に強い。

烏丸御池では地下鉄烏丸線東西線

京都駅へも京都市役所、三条京阪にもアクセス可能であり、繁華街でなくオフィス街の色合いの強い地域である。

四条烏丸では地下鉄烏丸線と阪急京都線

京都駅と河原町の双方へのアクセス可能、阪急電車により大阪にも出られる最高峰のエリアである。

三条京阪では地下鉄東西線と京阪電車を利用できる。

また、徒歩圏内に河原町があり、京阪電車があるため、大阪にも出やすい。

 

以上の3つのエリアは、市内を南北・東西に移動しやすく、大阪方面へのアクセスにも困りにくい。

しかし、当然ながら人気が高く、賃貸でも売買でも予算が大きくなりやすい。

三つのエリアで一戸建ての不動産を購入しようと思えば、1億円以上の予算がかかっていく。

つまり、交通の便利さだけを求めて中心部を選ぶと、希望する広さや築年数を諦めなければならないこともある。

そもそも、すべての人にとって「最もアクセスがよい場所」が一つに決まるわけではない。

京都駅へ毎日通う人と、大阪へ通勤する人では、便利な場所が違う。

職場が烏丸御池にある人と、出町柳や山科にある人でも、選ぶべき路線は変わる。

通勤時間を短くしたいのか。

休日に大阪へ出やすいことを重視するのか。

子育て環境や部屋の広さを優先するのか。

自転車を日常的に使えるのか。

住むエリアは、こうした条件を整理したうえで決めなければならない。

その前提で、価格と交通のバランスを考えたとき、ShuJu不動産が現実的におすすめしやすいのは、次の三つのエリアである。

 

二条エリア

総合的なバランスがよいのは、二条駅周辺である。

二条駅では、JR嵯峨野線と地下鉄東西線を利用できる。

 

JRを使えば京都駅へ向かうことができ、地下鉄東西線を使えば、烏丸御池、京都市役所前、三条京阪、山科方面へ移動できる。西側には、西大路御池や太秦天神川方面へもつながっている。

京都駅への移動と、市内の東西移動を一つのエリアで両立できることが、二条の大きな強みである。

特に、職場が京都駅周辺、烏丸御池、京都市役所前、三条京阪などにある人には使いやすい。

一方、大阪方面へは直接つながっていないため、京都駅や烏丸御池などでの乗り換えが必要になる。

大阪への通勤頻度が高い人よりも、京都市内での移動を重視する人に向いているエリアだと思う。

二条駅のすぐ近くに限定すると、物件価格や賃料は上がりやすい。

しかし、駅から少し離れても、自転車を併用すれば二条駅、四条大宮、円町方面を使い分けられる場所がある。

「駅徒歩5分」だけに絞らず、徒歩で15分程度の生活圏まで含めて探すことで、物件の選択肢は広がる。

 

壬生エリア

壬生エリア

壬生は、一つの駅を中心に考えるよりも、西院駅から丹波口駅、丹波口駅から四条大宮駅にかけての広いエリアとして考えた方がよい。

西側には阪急西院駅、東側には阪急大宮駅、南側にはJR丹波口駅がある。

さらに、西院と四条大宮では嵐電も利用できる。阪急と嵐電の乗り継ぎ地点は、西院と四条大宮である。

壬生エリアの強みは、住む位置によって交通手段を選べることである。

大阪方面への通勤を重視するなら、西院駅や四条大宮駅に近い場所が使いやすい。

京都駅への移動を重視するなら、JR丹波口駅に近い場所が便利である。丹波口駅からは、嵯峨野線で京都方面と二条・亀岡方面へ移動できる。

四条烏丸ほど中心部ではないが、自転車を使えば四条烏丸や二条方面も生活圏に入れやすい。

ただし、「壬生なら阪急もJRも使える」と単純に考えるのは危険である。

西院駅と丹波口駅の両方に徒歩数分という物件はほとんどない。

実際には、どの駅を主に使うのかを決めたうえで、もう一つの駅を自転車やバスで補助的に使うことになる。

壬生エリアは、徒歩だけですべてを完結させたい人よりも、自転車を日常的に使える人に向いている。

物件の広さ、中心部への近さ、大阪や京都駅へのアクセスを、比較的バランスよく検討できるエリアである。

二条・壬生エリアで一戸建てを買うなら、どの程度の予算が必要か

 

物件の広さ、中心部への近さ、大阪方面や京都駅へのアクセスを、比較的バランスよく検討できることが壬生エリアの魅力である。

ただし、二条エリアも壬生エリアも、京都市内では決して安い地域ではない。

駅からの距離、土地や建物の広さ、築年数、新築か中古か、駐車スペースが必要かによって、購入に必要な予算は大きく変わる。

また、価格の安い築古住宅を購入できたとしても、屋根や外壁、水回り、耐震性能などに問題があれば、購入後に大きな改修費用が発生する。

反対に、販売価格が多少高くても、建物の状態がよく、そのまま暮らせる住宅であれば、結果的な支出を抑えられる場合もある。

ここでは、二条・壬生エリアで一戸建てを探す場合の予算感を、大まかに整理してみたい。

なお、以下は売り出されている物件を見たうえでの目安であり、実際の価格は物件ごとに大きく異なる。

3,000万円未満

3,000万円未満では、希望条件に合う物件を幅広く比較するというより、条件に合う一軒を時間をかけて探すことになる。

壬生エリアでは、築年数の古い住宅、土地や建物が比較的小さい住宅、改修を前提とする住宅などが候補に入ることがある。

二条エリアでも3,000万円未満の中古住宅が見つかる可能性はあるが、駅からの距離、築年数、建物の広さ、接道条件など、何らかの条件調整が必要になりやすい。

特に築古住宅の場合は、購入価格だけを見て判断してはいけない。

購入後に必要となる改修費用まで含め、総額で考える必要がある。

3,000万円台

3,000万円台になると、壬生エリアでは中古一戸建てを中心に選択肢が増えてくる。

ただし、駅から近いこと、築年数が浅いこと、家族で暮らせる広さ、駐車スペースがあることなど、すべての条件を同時に満たすのは難しい。

二条エリアでも中古住宅が候補になるが、二条駅のすぐ近くに限定すると選択肢は少なくなりやすい。

一方で、徒歩10分から15分程度まで範囲を広げたり、駅の西側や北側まで含めたりすることで、探せる物件は増えていく。

掲載物件を基にした価格相場では、二条駅周辺の一戸建ては全体で3,000万円台、2LDK・3LDKでも3,000万円台から4,000万円台が一つの目安として示されている。ただし、掲載物件数や土地・建物の条件によって数値は大きく変わるため、あくまで入口として見る必要がある。

4,000万円台

4,000万円台は、壬生エリアで一戸建てを探す際の、比較的現実的な予算帯である。

中古住宅だけでなく、土地や建物がコンパクトな新築一戸建ても候補に入ってくる。

実際に壬生神明町では、4,080万円で新築一戸建てが売り出された事例がある。もちろん、同じ壬生でも立地、面積、間取り、接道条件によって価格は変わるが、新築住宅を検討する際の一つの参考にはなる。

二条エリアでは、中古一戸建てを中心に選択肢が広がる。

ただし、駅から近く、築年数が浅く、家族で暮らせる広さがある住宅は人気が集まりやすい。

4,000万円台だからといって、すべての希望条件を満たせるとは限らない。

駅までの距離を優先するのか。

建物の広さを優先するのか。

新しさを優先するのか。

何を重視するかを明確にする必要がある。

5,000万円から7,000万円程度

5,000万円を超えると、二条エリアでも物件選びの幅が広がる。

駅までの距離、土地や建物の広さ、建物の状態など、複数の条件を両立しやすくなる。

壬生エリアでは、築年数の浅さ、間取り、駐車スペースなどを重視した住宅も検討しやすくなる。

また、単に「壬生に住む」というだけでなく、西院駅、丹波口駅、四条大宮駅のうち、どの駅を日常的に利用するのかまで考えて物件を選べるようになる。

大阪方面への移動を重視するのであれば、阪急西院駅や大宮駅に近い物件を選ぶ。

京都駅への移動を重視するのであれば、JR丹波口駅に近い物件を選ぶ。

京都市内の東西移動を重視するのであれば、地下鉄東西線を利用できる二条駅周辺を選ぶ。

予算が増えることで、単に購入できる物件を探すのではなく、自分の生活動線に合った場所を比較しやすくなる。

7,000万円以上

7,000万円以上になると、二条・壬生ともに選択肢はかなり広がる。

駅からの距離、建物の状態、広さ、駐車スペースなどを比較しながら選びやすくなる。

ただし、二条駅のすぐ近くにある土地面積の大きな住宅や、築年数の浅い住宅、新築住宅では、さらに高い価格になることもある。

また、予算を増やしたからといって、必ずしも広い住宅が手に入るとは限らない。

中心部に近づくほど、建物だけではなく、立地や土地そのものに対して支払う金額が大きくなるからである。

物件価格だけで、予算を決めてはいけない

住宅購入に必要なのは、物件の販売価格だけではない。

仲介手数料や登記費用、住宅ローンに関する費用、火災保険料などの諸費用がかかる。

中古住宅では、購入後の改修費用も考える必要がある。

さらに、実際に暮らし始めれば、固定資産税や建物の維持管理費も必要になる。

築古住宅を購入して大規模な改修を行う場合、物件価格が安くても、最終的な支出は新しい住宅と大きく変わらないことがある。

反対に、販売価格が少し高くても、建物の状態がよく、改修の必要が少ない住宅であれば、購入後の負担を抑えられる可能性がある。

大切なのは、販売価格だけではなく、

  • 購入時の諸費用
  • 購入後の改修費
  • 毎月の住宅ローン返済額
  • 固定資産税や維持管理費
  • 通勤や通学に必要な交通費
  • 自動車を所有する必要があるか
  • 将来、売却したり貸したりしやすいか

まで含めて考えることである。

「最も便利な場所」ではなく、自分の生活に合う場所を選ぶ

京都市内で交通アクセスだけを求めれば、烏丸御池、四条烏丸、三条京阪は非常に魅力的である。

しかし、住宅価格や家賃まで考えると、誰にとっても現実的な選択肢とは言いにくい。

二条は、京都駅へのアクセスと、京都市内の東西移動に強い。

壬生は、西院、丹波口、四条大宮のうち、自分の生活に合った駅を選びやすい。

大阪へ通勤するのであれば、阪急沿線に近い方が便利である。

京都駅周辺へ通うのであれば、JR丹波口駅や二条駅に近い方が使いやすい。

烏丸御池、京都市役所前、三条京阪方面への移動が多いのであれば、地下鉄東西線を利用できる二条駅周辺が強い。

すべての人にとって、最もアクセスのよい場所が一つに決まるわけではない。

職場はどこにあるのか。

大阪へ行く頻度はどの程度か。

自転車を日常的に使えるのか。

駅までの近さと部屋の広さのどちらを優先するのか。

新しさを求めるのか、改修を前提に築古住宅を選ぶのか。

こうした条件と予算を組み合わせて考えることで、初めて自分にとって本当にアクセスのよい住まいが見えてくる。

アクセス、価格、広さ、築年数のすべてが完璧な住宅は、ほとんどない。

だからこそ、物件を探し始める前に、何を優先し、何であれば妥協できるのかを整理しておくことが重要である。

不動産会社に求められるのも、単に駅からの徒歩分数や物件価格を伝えることではない。

その人がどこへ通い、どのように暮らし、どの程度の予算を使えるのか。

交通と住まいの両面から、その人にとって現実的な選択肢を一緒に考えることが、不動産会社の役割だと思う。

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HOSOYAN

ShuJu不動産のディレクター。この世に生を受けてから、集団生活の中で育った逆箱入り息子。学生寮とシェアハウスを交互に繰り返した結果、未だに一人暮らしを経験したことがない既婚者。『一人暮らしは未経験だけれど、職人としてリフォームした経験があるので大丈夫!』と本人は意気込んでいた。

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