2026.10.27
堀川今出川の太陽-なんくるないさと笑って、おそばをすすろう|沖縄食堂いちゃりば 森田さんインタビュー
京都・堀川今出川の沖縄料理店「沖縄食堂 いちゃりば」。店主の森田さんに、京都での歩みと沖縄との出会いを伺いました。
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それは5月の堀川今出川
あいさつ活動をする私に声をかけたのは
優しい笑顔の男性だった
「朝から偉いなあ!」
お話をすると、近くで沖縄料理店を営んでいるらしい。
「今日もおるんやな~!」
「お茶、のみやあ!」
お会いするたびに、あたたかい言葉をかけていただいている。
いつからか、堀川今出川に立つ楽しみは、彼に会うことだった。
・・・
森田さんは、出会う人に分け隔てなく優しい。
だから、自然と人が集まる。
自然と笑顔が生まれる。
お料理もおいしい。
店内も、個性的で楽しい。
沖縄のイメージと重なる森田さんだが
生まれも育ちも京都だと聞き、驚いた。
どのような人生を歩んできたのだろう。
沖縄そばをいただきつつ、お話を伺った。
インタビュー・写真 今井そうた
今回のインタビューは、
堀川今出川の沖縄料理店「沖縄食堂 いちゃりば」です。
店主の森田さんにインタビューをしました!
店名:沖縄食堂 いちゃりば
住所:〒602-0054 京都府京都市上京区今出川通堀川東入飛鳥井町250
電話番号:0752793163
【この記事でわかること】
堀川今出川の沖縄料理店「沖縄食堂 いちゃりば」はどんな場所?
森田さんはどんな人?
人生の楽しみ方って?
堀川今出川の沖縄料理店で、まずは沖縄そば
――いただきま~す!
――本日はよろしくお願いします!(ちゅるちゅる)
森田さん:うん、よろしく~。
――森田さんって、いつも元気で笑顔ですよね。お話ししていたら、自然と明るい気持ちになります。どうしてこんなに陽のエネルギーに満ちているのだろう、今日はそのわけを知りたいな、なんて思っています。
森田さん:そんなん言われたら、うれしいなあ。
――お生まれは、こちらなんですよね。
森田さん:うん。ここが実家で、カメラ屋やっててん。
――そうだったんですね📸
森田さん:今井君は、上御霊神社の近くに住んでるんやな?
――はい。
森田さん:その辺りで、喫茶店をしてたんや。今から40年くらい前、まだ22歳やった。
――喫茶店!どういった経緯で??
森田さん:はじめはその店に客として通っててん。で、マスターに「ここをやらへんか?」って。別の喫茶店でバイトしてたから、ほなやってみるか、って。
――きっと、当時のマスターに人柄を見出されたんですね。
森田さん:当時は近くに予備校があったから、喫茶店もよう賑わってた。
――あ、カンブリですね!
駿台に次ぐ規模の予備校が鞍馬口にあった。跡地には記念碑とマンションが建っている。
森田さん:10年くらいやってたんやけど、結婚して子供が生まれてなあ。もっと稼ごうと思って、パン屋の修行を始めたんや。
――どのパン屋で修業したんですか?
森田さん:BURG。おいしかってん。
――へえ。調べると、ワールドコーヒーの直営店だったんですね。
森田さん:5年くらい修行して、そろそろお店だそうと思ったんやけど、初期費用が高いから諦めたんや。
――そうだったんですか…。
森田さん:その後もいろいろな仕事してなあ。
――たとえば?
森田さん:入浴剤をつくる会社におったなあ。けっこう楽しかったで。
そんなわけで、堀川今出川の沖縄料理店「いちゃりば」では沖縄の入浴剤も販売しております
ライトハウスの思い出
森田さん:いろいろな仕事をしてから、ちょっと前まで、ライトハウスで働いてた。
――前に仰っていましたね。どんなことをされていたのですか?
森田さん:最初は施設内の食堂で働くかなって思ったんやけど、パン屋の経験を活かしてパンの作り方を教えたり、調理全般の基礎的なことも教えたなあ。
――そうでしたか。
森田さん:ライトハウスは、視覚障がいの人だけやなくて、いろいろな人が利用するから、気をつけることが多かったなあ。
――難しいところもありましたかね。
森田さん:うん。さっきまで笑ってたのに、急に変わることもあった。 ――そっか。 森田さん:あとは、働きたいという気持ちはあっても、その日の体調や気分でできないこともある。勉強やな。 ――初めてお会いした時から、森田さんは人を受け止める力があるなあと、思っていました。やはり、いろいろな 経験をしてきたからなのですね。
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トイレ掃除
森田さん:でも、もしこの店を閉めたら、仕事でトイレ掃除をしてみたい、と思ってる。
――トイレ掃除?どうしてですか?
森田さん:公衆トイレがきれいやったら、気持ちええやろ。汚かったら「公衆トイレやし、こんなもんや」と思うけど、きれいやったらうれしい。
――そういえば、『PERFECT DAYS』という映画がヒットしましたね。役所広司さん主演で、ヴィム・ヴェンダース監督。主人公が東京の公衆トイレの清掃員で、毎朝ひたすら丁寧に掃除する姿を描いた映画です。こういう人のおかげで街がきれいに保たれているんだと感じる作品でした。
森田さん:そういえば、今井くん知ってるかな。京都市に雇われて、バス停だけを掃除する人がいるんやで。
――バス停だけを掃除する人が??
森田さん:交通局の仕事やと思う。バイクで移動して、バス停の周りの決められた範囲だけを掃除して、次のバス停へ行く。俺、そのおっちゃんに「何してるの」と声をかけて聞いたんや。
――さすが森田さん。
森田さん:1か所2分くらいで終わる仕事らしい。ただ、待っている人から「そこも汚いから掃除して」と言われても、決められた範囲を越えて掃除したらあかんらしい。断ると怒られることもあるって言ってた。
――きっと、範囲を広げるときりがないから、ルールが決まっているんですね。それを知らない人から見ると、不親切に見えてしまう。
森田さん:そういう仕事をしてる人がいること自体、知られてへん。
――たしかに。制服や広報などで「この範囲を清掃する仕事なのです」と認知されていれば、不幸な相違も防げますよね。普段きれいなバス停を使えるのは、清掃している方のおかげなのだ、ということをお伝えしなきゃ。
沖縄との出会い、沖縄食堂いちゃりばの始まり
――・・・って、森田さん!!
森田さん:ん~?
――ここまでお話を伺ってきましたが、まだ一度も沖縄が出てきていません!?
森田さん:ほんまやな笑
――このお店が生まれた経緯を教えてください!
森田さん:きっかけの一つは、夏川りみさんや。
――『涙そうそう』の?
森田さん:うん。今のロームシアターが「京都会館」と呼ばれていた頃や。ライブを観て、感動してなあ。その頃、上の子が大学を卒業するから、家族でグアムへ行こうとしてたんやけど、「石垣島にしよう」となった。
――へえ!それから、沖縄へ通うようになったんですか。
森田さん:多い時は年に3、4回行った。当時は会社員やったから休暇もあるし、給料も出る。
――個人事業主にはうらやましい話です(笑)。沖縄では、どんなふうに過ごしたんですか。
森田さん:沖縄そばをいっぱい食べ歩いたなあ。
――「この店のそばはおいしい」「ここのだしはこういう味」とか、だんだん分かるようになったんですね。今井は沖縄へ行った時、海洋食堂に行きました。
森田さん:海洋食堂は人気やな。
――食堂いちゃりばの沖縄そばのレシピは、誰かに教わったんですか。
森田さん:半分は独学。あとは秘密。
――わかりました笑。沖縄が好きになっただけでなく、再び自分の店を持ちたいという気持ちもあったんですね。
森田さん:そう。何か商売したい、もう一度店を持ちたいと思ってた。
――沖縄料理店を最初に開いたのは、左京区百万遍なんですよね。何年前ですか。
森田さん:10年くらい前。その頃はライトハウスで働きながら、店もやってた。
――それは忙しい!百万遍なら、京大の学生もたくさん来たでしょう。
森田さん:来たけど、一杯だけで1,2時間おる奴とかなあ。「金がない」と言って(笑)。
――森田さんは優しいから、追い出さずに受け入れていたんでしょう…。ありがとうございます!
森田さん:いいのいいの。京大卒業した社会人が、今も会いに来てくれるで。
――それは嬉しいですね。
森田さん:ほんでまあ、3年くらい前にこっちにお店を移した。
――店内には、沖縄に関係する品がたくさんありますよね。
――琉球舞踊の衣装を扱う会社が京都にあるんですね。
森田さん:沖縄から京都へ来て、琉球舞踊をしている人とのつながりでな~。
大阪で活動しているプロのマジシャン。沖縄出身ではないらしいです。
――森田さんがたくさんの人と出会った軌跡が、この店にはいろいろな品やエピソードとして詰まっているんですね。沖縄好きの人が見れば分かるサインも多いのでしょうが、僕には知らない人ばかりです(笑)。
森田さん:知らん人の方が多いやろ。沖縄が好きな人は「これすごい」と言うけどな。
堀川今出川の沖縄料理店「いちゃりば」のこれから
――最後に、今後の展望を聞きたいです。
森田さん:この場所を、みんなが使えるようにしたいな。イベントをしたり、いろいろな人が集まったりする場所にできたらいい。沖縄に関係ある人だけでなくてもええし。
――いいですね!ここは広いですし。堀川今出川に近くて、立地がとてもいいですよね。
森田さん:ただ、店の前は車や自転車の交通量が多いから、ちょっと危ない面もある。たとえば、子ども食堂も考えたことはあるけど、子どもだけで来て、自転車が5、6台並んだら危ない。
――たしかに、子ども食堂そのものは意義深いですが、国が「どんどん増やしましょう」と推進するべきことでもないですね。
森田さん:「子どものため」だけでは、担い手が疲れ切ってしまうことがあるな。大人も楽しいから続くという面も大事。せやから、いろんな楽しいことをしたいな。
――ハイ!わたくし今井、京大落研出身なので、落語会を企画したいです!
森田さん:ええなあ、やろか~。
エピローグ
京都ライトハウス祭りにて。サーターアンダギーとちまきを販売されていました☺
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